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kokoroのtubuyaki (えびすけの裏日記)

『恍惚の人』

「恍惚の人」を読みました。
すごく有名な作品ですよね、でもこの作品が広く読まれたのも分かる気がします。
「老い」が身近に無い人には、センセーショナルな内容だと思いますし、
とてもリアルに書かれていたからです。

この作品が書かれたのは昭和47年ころです。
まだ今のように「認知症」などとも呼ばれていませんでしたし、
「痴呆症」という言葉も馴染みの無いころなんですね。

84歳になるおじいちゃんが、老人性痴呆症にかかるのですが、
家族達はそんなおじいちゃんのことを、「耄碌(もうろく)」したと表現します。
そういえば、昔はそんな風に言ったなぁ・・・・と思いました。

メインに書かれているのは、このおじいちゃんを介護する家族なのですが、
いつの時代も老人を抱える家族はたくさんあるんですよね、
普段は隠されて気づかないけれど、よく見れば案外そのへんに沢山転がっている・・・
そんなこの家族以外の挿話も興味深かったです。

この当時は今と社会環境も大分違っていて、
家庭のありかたもずいぶん封建的で、
自分の親なのに、夫は一向に介護を手伝わず、嫁に任せっきり。

この夫に対しては、憤慨しっぱなしでした。
でも、何もこの家庭が特別ではなかったんでしょうけれど・・・。

この頃は、女性が結婚しても職を持ち続けるのさえ、風当たりが強かったのですから、
その上、介護も一人でやりぬいたこのお嫁さん、本当にすごいです。

時代が違えども、内容は色あせない、
介護するものの思いや、苦悩がリアルに感じられる本でした。



by ebisuke1014 | 2005-12-17 02:00 | 介護のこと

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